大きく下方修正された16年のGDP

本日、内閣府が公表した、2018年7~9月期の四半期別国内総生産(GDP)の第2次速報。「法人企業統計調査」(財務省)の情報を織り込んで、7~9月期の実質GDP成長率が年率マイナス2.5%に下方修正(改定前はマイナス1.2%)されたことが注目されています。

 一方、2015~17年のGDPがひそかに下方修正されたことはあまり気が付かれていないでしょう。速報段階では得られない、詳細な調査に基づく経済統計の情報が反映されたためです。 

以前から、第1次年次推計(以前は確報と呼ばれていた)、今回は2017年、は改定が大きかったですが、昨年からは第2次年次推計(以前は確々報と呼ばれていた)の改定幅も大きくなっています。今回は、17年の下方修正以上に16年が下方修正されたため、17年の成長率が上方修正されています。

 この主因は、年次推計で重要な役割を果たす「工業統計調査」(経済産業省)の調査・公表タイミングが変更になったためです。2014年まではこの調査の情報が第1次年次推計(確報)で織り込まれていました。しかし、2015年からは間に合わなくなり、第2次年次推計(確々報)で取り入れられることになったのです。言い換えれば、GDP統計は2年近くたってようやく”確定”するようになったのです。

 これは、(1)2015年から経済センサス調査がある年は工業統計調査を行わず、(2)経済センサス調査のない年は、経済センサスにあわせて毎年6月に調査を実施することになった――ためです。調査現場の事情なども考慮に入れたためと聞いていますが、調査時期を早めて、第1次年次推計(確報)の精度を上げることはできないものでしょうか?

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