2018.11.14 00:53雇用者報酬は下方修正されたが本日公表された2018年7~9月期の四半期別GDP(1次速報)では、2018年に入ってからの雇用者報酬が下方修正された。前年同期比でみると、2018年1~3月 改定前 3.1% → 改定後 2.7%2018年4~6月 改定前 4.1% → 改定後 3.4%毎月勤労統計調査のバイアスを修正したためだが、相変わらず労働分配率の上昇傾向に変わりはない。本来の労働分配率は「雇用者報酬÷国民所得」だが、国民所得は年次推計でないと公表されない。そこで、国民所得に、固定資本減耗と間接税を加えた国民総所得(GNI)でグラフを描いてみると、上昇傾向が確認できる。一方、法人企業統計年報では2017年度まで労働分配率の低下が続いている。今年末には、2017年分の年次推計が公...
2018.11.07 13:102017年への生産拡大は思ったより緩やかだった本日(11月7日)、2015年基準に改定された鉱工業生産指数の2017年12月までの実績値が公表されました。2016年への落ち込みがなくなり(旧基準は前年比▲0.1%、新基準は同0.0%)、2017年への生産拡大が緩やかになった(旧基準は前年比4.4%、新基準は同3.1%)。この要因は2つ考えられる。第1は、2017年にかけて急拡大した「電子部品・デバイス工業」の鉱工業生産全体に占めるウエートの低下。鉱工業生産指数は、産業別の指数を、日本全体の付加価値に占める各産業のウエートを用いて加重平均して算出している。逆に、生産変動が小さく、ほぼ横ばい推移の「食料品・たばこ工業」のウエートが上昇したこともこの動きに寄与している。第2は、2016年にかけての「電子...